このページでは、個人のクリエイターが企業・団体などの依頼でコンテンツ制作する際に、意識しておいたほうがいい内容をまとめています。
とくに金銭・物品などの提供を受けてコンテンツを制作するときには、知っておくといい知識やルールがあります。無用なトラブルを避け、みなさん自身や読者を守るために、本記事をご活用いただければ幸いです。
企業や団体は、みなさんのこれまでの活動に魅力を感じコンテンツ制作を依頼したはずです。
依頼者と話し合って、みなさんのこれからの創作活動に寄与するものであると判断できたならば、依頼を受けることを検討してみてください。
そのために、打ち合わせの際には、遠慮なく先方のやりたいこと、自分のやりたいこと、お互いにやりたくないこと、などを話し合っておくことをおすすめします。
目次
第三者からの依頼で書く記事に明記する情報
そのコンテンツが自主的に書かれたものなのか、第三者から依頼されたものかをみなさんの読者へ明らかにすることは大切です。いわゆる「ステルスマーケティング」※ は、景品表示法違反とされるおそれがあります。読者のためにも、みなさんのクリエイターとしての信頼性を保つためにもフェアな情報開示を意識しましょう。
※ 「ステルスマーケティング」について詳しく知りたい方は、以下も参照してください。
「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準
具体的には、以下2つのポイントに気を配ることをおすすめします。
1. 主体と便益の明示
みなさんが依頼された記事を書くときは、「どこから依頼されたのか(主体)」「依頼主から何を提供されたのか(便益)」の両方を本文中に明示しましょう。
しっかり書かれていないと、どんなにいい記事でもステルスマーケティングにあたり、依頼主である企業・団体が景品表示法に違反するおそれがあります。
主体の明示とは
どこの企業・団体・プロジェクトから依頼されたのかを明らかにすることです。依頼主の説明がむずかしい場合は、詳細がわかるリンクを載せるとより親切です。
便益の明示とは
便益、つまり金銭や物品、サービスなど、何かしら授受の関係があることを明らかにすることです。クリエイターが自発的に書いたものと、第三者から依頼されて書いたものと、読者が区別できるようにするために必要なものです。
具体的な書き方について
以下に参考例を記載しますが、クリエイターのみなさんの言葉で書くことをおすすめします。
(例)
"この文章は、◯◯◯(依頼主)からの依頼により書きました。”
"今回、ありがたいことに◯◯◯(依頼主)から新商品をいただいたので、スポンサー記事を書くことになりました。” 等
また書く場所については、明確なルールはありませんが、JIAA ネイティブアド研究会が定めた推奨規定によると「表⽰する位置、⼤きさ、⾊、形状など、わかりやすい表⽰となるよう留意する」ことが求められています。区切り線を引いたり、括弧で囲ったりすると読者がわかりやすいでしょう。
2. ハッシュタグ
noteには記事にハッシュタグをつける機能があり、記事の最下部に表示されます。
第三者から依頼された記事の場合は「#プロモーション」「#PR」「#宣伝」「#広告」といったハッシュタグの設定をおすすめします。
ハッシュタグの表記について詳しく知りたい方は、以下のガイドラインも参照してください。
WOMJガイドライン内「便益の内容別の便益タグ」項目
なお、依頼された場合はもちろん、それ以外の創作でも著作権(参考:創作を後押しする権利の考え方)や各種法律は守りましょう。
スポンサー記事をはじめ、広告業界のくわしいルール等を知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
- 一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会(JIAA)
- WOMJガイドライン(WOMマーケティング協議会)
- 消費者庁
- UUUM 広告表示ガイドライン概略(UUUM株式会社)
依頼記事をよりよいものにするために心がけること
企業や団体から依頼されたコンテンツ制作を気持ちよく進めるために大切なことをまとめました。以下、2つのポイントに絞ってご紹介します。
1. そもそも、自分が受けるべき仕事かどうかを考える
コンテンツ制作の依頼を受けるか判断するために、事前に依頼主に以下の項目を確認しておくことをおすすめします。
- なぜ自分に依頼したいと思ったのか
- コンテンツを通して伝えたいメッセージや目的は何か
- 依頼したいコンテンツの形式、ギャランティー、締切 など仕事の概要
いいコンテンツの制作には、依頼主の要望と自分の表現したいことのすり合わせが欠かせません。
なお、noteでは「仕事依頼」記事をクリエイターページに設定できます。コンテンツ制作のお仕事を増やしたい方は、ぜひこの機能を活用して、自分の経歴や得意なジャンル、仕事を受ける際の条件などを宣言してみてください。
▼ 詳しくは「仕事依頼」記事の設定方法を参照してください。
2. 自分の本当の気持ちを書く
記事を読んだ読者には、クリエイターの本当の気持ちが驚くほど伝わります。
依頼記事であっても、みなさんのいつものコンテンツ制作のように、自分が感じたことを自分の表現で書くことをおすすめします。
本当はいいと思わないものを無理にほめたりすることはやめておいたほうがいいでしょう。そのためにも、打ち合わせの段階で、依頼者と内容についてすり合わせをしておくことが重要です。
クリエイターに依頼するみなさんへ
noteには、エッセイ、マンガ、イラスト、写真など、さまざまなジャンルのクリエイターが約663万人 (2023年5月時点) います。
企業・団体のみなさんは、クリエイターそれぞれの魅力を尊重したうえでコンテンツ制作をご依頼いただくようお願いします。
くわしくは、こちらの「企業・団体がnoteのクリエイターにコンテンツ制作を依頼するときのガイドライン」をご参照ください。